1. HOME
  2. ブログ
  3. プライベート
  4. 和歌山の偉人

BLOG

ブログ

プライベート

和歌山の偉人

小さい頃、家の隣が大工さんでした。幼稚園から帰ると飽きもせず、ノミやカンナを自在に操り、まるで手品のように、いろんなものを作り上げて行く作業に見入ったものです。

日本の職人さんの技は正に神技、その研ぎ澄まされた感覚は時に精密な機械を凌ぐほど。そして、我々はそんな職人さんたちを尊敬してきました。自分の仕事にプライドを持ち、妥協を許さない職人気質。これが技術大国日本を支えてきたんですね。

ふと入った喫茶店で手に取った週刊誌に和歌浦天満宮のコラムがでていました。天満宮といば菅原道真、言わずと知れた学問の神様。志望校への合格を目指して毎年多くの受験生が参拝します。

この和歌浦天満宮を作った大工は平内政信。紀伊国那賀郡根来の生まれ。寺社建築の木割り(部材相互の大きさを決定する仕組み)の技法を口伝や経験則から、理論的に体系化した男。天満宮は弱冠23歳の時のデビュー作。その後江戸で実績を積み、49歳で幕府のすべての工事にあたる作事方で大棟梁に就任します。日本一の大工が和歌山県人であったなんてなんだかうれしいではないですか。

このコラムを書いた大和ハウス工業総合技術研究所の稲葉なおと氏によると、優れた建築では細部に感動する前に建築の配置とそこに至るまでのアプローチに感動し、想像をかきたてられることがあるそうで、和歌浦天満宮がまさにそうであり、理論に基づいたその美は人をまるで天空の建築へ誘うとのこと。

うーん。和歌浦天満宮へは何度も参拝したけれど、そんな目でみたことなかったなぁ。今日は天気もいいしこれから行ってみよう。

関連記事