本読みの喜び
私が「おざき太郎はこんな人」で紹介していたおススメ本「流人道中記」 先日挨拶回りでお会いした女性が、「私も浅田次郎が大好きで、太郎さんが面白いというから買いました」とおっしゃってくれました。
私が浅田次郎にハマったのはまだ二十代の頃に読んだ「蒼穹の昴」清朝末期の春児(チュンル)という少年が貧しさゆえに宦官(男の大事なところを切ってしまう)となり、波乱万丈、権謀術数渦巻く清朝の宮廷を懸命に生き抜いていくお話、感動して周囲の人にススメまくりました。読んだ人は例外なく「よかったわー」と言ってくれました。大傑作です。未読の方はぜひ。
さて「流人道中記」は青年が旅を通して成長していくというある意味よくあるお話です。私が好きな作家で名をあげさせてもらった葉室麟の「川あかり」なんかもそう。青年が成長する姿を見るのはなんとも嬉しいものですね。読み終わった後しばらくは爽やかな気持ちでいられます。
乙次郎は罪人青山玄蕃を蝦夷まで送り届けることを命じられます。この旅の道中での様々な出来事を通して乙次郎は成長していきますが、読んでる我々もイロイロ考えさせられます。なにせこの青山玄蕃がキャラ立ちまくり、お茶目でありながら、同調圧力に屈せず(これが我が国では本当に難しい)常に自分のことを虚しくして、目の前の困っている人を全力で助ける誠の武士。本物の男。ネダばれにならないようにこの辺で。
でも例えば「一刀斎夢録」や「壬生義士伝」のような血を見るようなお話ではありませんので、女性の方も安心して楽しんでもらえると思います。
本読みにとってはおススメした本が「面白かった」と言ってもらえれば本当にうれしいものです。あの女性の感想も聞いてみたいなぁ。自信はあるけど。