和歌山正論懇話会
一昔前中南米では誘拐が一大ビジネスになっているという話を聞きました。日本だと誘拐なんてお金に困った連中が手を染める犯罪ですが、かの国々ではある意味洗練?されたビジネスになってたみたい。身代金を払えばちゃんと人質は帰ってくる、ビジネスだからある種のルールがあるんですね。
いまどきの誘拐ビジネスは人ではなく情報(データ)をさらって身代金を要求する。
今回の正論懇話会はそんなお話、題して「サイバー脅威の最前線」講師はNTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストの松原美穂子先生です。
サイバー被害の損失は100兆円を超えてます。世界のGDP の1%いやはやすごい額です。
情報(データ)を乗っ取られた(これをランサムウエアというそうです)企業が身代(情報)金を払っても、情報がすべて帰ってきたのは全体の8%ほど、こいつらは中南米の犯罪組織ほどの仁義?もない連中です。
我々は「水と安全はタダ」だと思っている国民ですから、身の安全すらあまり気にかけない、まして情報なんぞダダ漏れ、前の戦争もそれで負けたようなものです。
もはや安全保障はサイバーセキュリティ無しには語れないでしょう。
ウクライナ・台湾の情勢を受け、松原先生の提唱する我が国の取るべき行動は
1 防衛省・自衛隊を含めた日本一丸となってのサイバー防御能力の強化
2 有事にはサイバー以外にも火力などを使った攻撃が仕掛けられる事態に備え、サイバー演習と他領域の演習の両方を官民で行う
3 日本のサイバーセキュリティの知見を同盟国やパートナー国と共有し、信頼できる協力相手国として認識されるようにし、国際協力を拡大・深化させていく
となります。
国防の要は国民の国防意識にあります。我々ひとりひとりが軍備だけでなく、サイバーセキュリティの強化なしには国を守れないことをよくよく認識しなければなりません。
当日は県警本部長も出席しており、この問題への関心の高さがうかがえました。
ところで先日私の知人がお風呂からあがったら奥さんがスマホを持ちながら鬼の形相で立っていたそうです。スマホの情報漏洩の代償は数十万円のブランドもののバッグとエンドレスな謝罪。くわばらくわばら家庭でも情報のセキュリティは万全に!トホホ。