和歌山研究会 第13回勉強会
今回の講師は経済学者の島田晴雄先生。小泉内閣で内閣府特命顧問を務められました。「多極化、多様化する世界で日本は国家戦略をどう見直し再構築するべきか」をテーマにお話しいただきました。
一昔前は「南北問題」といえば、世界経済における格差問題でした。もちろん南が貧しくて北が豊か。アフリカとか南アメリカの国々、東南アジアも貧しかった。
ところが、近年ではこれらの国々の経済発展は目覚ましく、今や世界経済の推進力になろうとしています。
戦後の世界秩序というのはザックリいってアメリカが覇権国として世界を取り仕切るという構図。圧倒的なアメリカのパワーがあればこそ、これにくっついて日本は安全保障を丸投げして、経済に専心できました。
ところが、「グローバルサウス」とよばれる国々(インド、インドネシア、トルコ、南アフリカ、イラン等アジア、アフリカ、中南米などの途上国)かつて白人の植民地として長らく辛酸を舐めてきた国々が力をつけてきました。もうすでにG7の国々のGDPを抜いているそうです。アメリカを中心とする西側先進国が世界のあり方を決めた時代は過ぎ去りつつあります。
バイデンにしろトランプにしろ、もはやアメリカは世界の警察官の座を降りるみたいだし、いったい、これからの世界秩序はどうなっちゃうの?誰が仕切るの?
チャイナが仕切る?あるいはチャイナ、ロシアの連合?それともカオス(混乱)状態?いわゆる西側はどうするつもり?いずれにせよ、キーとなるのは「グローバルサウス」らしい。
日本は東の端にありながら西側の一員ですが、有色人種ということもあり、たとえばイラン(アメリカとは仲が悪い)なんかとも割と仲良くやってきました。「グローバルサウス」ともうまくやっていける可能性はある。でもアメリカのご機嫌を損ねるわけにはいかん。
円安だし、アフリカなんてとてもいけませんが、子供の頃テレビで見た野生の王国ぐらいのイメージしかありません。今更ながら、失われた30年の間に世界はめちゃ変わったんですね。
すっかり影が薄くなった日本、誰かと組まなければ生き残ってはいけませんが、人類皆兄弟とはいかないようで、世界はやっぱり合従連衡(状況や利害によってくっついたり離れたりする駆け引きや外交戦略)しっかりしろ日本!
にしても和歌山ほとんど変わってないんですけど。ていうか昔の方が栄えてたって。