熊野高等学校空手道部
私が空手を始めたのは50年前、強くなりたくて柔道を習いたいと父に言ったら、連れて行かれたのが空手の道場だった、といういいかげんな理由からです。
昭和の空手道場の男女比率は50対1ぐらい、女の子なんてほぼいない。むくつけき男の世界でした。
当時は「空手バカ一代」という漫画の影響でケンカ空手というのが流行りました。要するに殴り合い、蹴り合い。先輩との組手(スパーリング)はホントに怖かった。お腹を蹴られたら、それこそ地獄の苦しみなんです。
令和の空手は昭和とは全く違います。空手も洗練されたスポーツになりました。
お邪魔した熊野高校の空手道部はなんと部員が35人もいます。しかも半数が女子、これはすごい、どの学校のクラブも部員不足が深刻です。空手みたいな武道系は特にそう、実際、熊野高校でも少林寺拳法部や剣道部は部員不足で無くなってしまいました。
熊野高校ではなんでこんなに空手が人気なのか、指導する先生に伺いました。「空手経験者の入部にこだわらない、初心者でも高校時代に試合に出場できるようにするが、結果にもこだわらない」とのことでした。
空手は柔道やレスリングに比べればケガも少なく安全なスポーツだとか、なるほど、女子に人気なのもわかる気がします。
とにかくみんな練習が楽しそう、これが令和の空手道部か、若人の気合いが練習場に響いて、青春そのもの、それでいて礼儀はきちんとしています。気持ちのいい生徒たちです。一緒に見学した教育長も感心することしきりでしたね。
さはさりながら、
我々の空手は一撃必殺、練りに練った正拳は岩をも砕く、見よ!裂帛(れっぱく)の気合いとともに、 「お父さん💢」 アラ、奥様には全く歯が立ちません。先輩より怖いわ。トホホ。