石破茂新総理はどんな人3
「福田恒存も読めと言われましたがあまり読みませんでした」えーっっ。読んでないん。
でも
「清水幾太郎はとても面白かった」「清水幾太郎の戦後を疑うにも政治家の資格とは何かというくだりがあります。『国民が厭がっているもので、しかし、国家の将来にとって絶対に必要なもの、そういうものがあるでしょう。それを国民にやらせる、納得させる、それが駄目なら強制する、それが政治家の仕事だと思います』民主主義社会における為政者と国民のあるべき姿について、私はこれが一番わかりやすい説明だと思っています」
保守の大御所福田恒存は言います。「保守派は見とほしをもってはならない。人類の目的や歴史の方向に見とほしのもてぬことが、ある種の人々を保守派にするのではなかつたか」(私の保守主義観)これは読んでないのね。国家の将来など見とおす自信がないのが保守派なのです。
石破総理は優れた政治家(ご自分)には国家の将来にとって絶対に必要なものが分かると思っている?つまり為政者(政治家)は国民を教え導く(啓蒙)べきだと。
財政規律とは具体的には公共事業とか福祉などの行政サービスを税収の範囲で賄うということです。払う以上のサービスは国民を堕落させるし、国家財政を破綻させる。国家の将来にとって絶対に必要なものは増税だ。これを国民に納得させる、駄目なら強制する。
「私が竹下登先生を尊敬しているのは、(中略)あれほど政治的に困難だった消費税を導入された総理だということ」 増税したら偉いのね。
だけど、だけど、もうこれ以上国債を増発すれば財政は破綻すると言われてから随分になりますが、いっこうに財政は破綻しそうにありません。なのになんでそんなに財政規律にこだわるのか。それはそれが思想だから。
石破総理が多分読んでいないケインズの言葉を引用します。
「思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられているよりもはるかに強力である。(中略)私は既得権益の力は思想の漸次的な浸透に比べて著しく誇張されていると思う。良かれ悪しかれ危険なものは、既得権益ではなくて思想である」
思想は現実を思想に合わせて革新しようとします。国債が増えても現実には財政は破綻しない。しかし、破綻しないのは現実がおかしいとなっちゃうんです。だから危険なものは思想なんですね。
思想は一度とりつけばそう簡単には剥がれません。財政規律を守るため増税は善。
キャンデーズは「微笑み返し」石破総理は「手のひら返し」なにせ保守リベラル(ご本人談)でもやっぱり本籍はリベラルでしょう。「保守政治家」を読むかぎりではね。
国民にとっていい方に返ってくれることを願うばかりです。