和歌山研究会
戦前「石油の一滴は血の一滴」と言われました。
トランプのアメリカがイランを爆撃、すわ一大事、ホルムズ海峡が封鎖されようものなら日本への石油が途絶える。イコール日本経済沈没、石油が我が国の生命線であるのは今も昔も変わりません。だから石油の値段には国民は敏感です。
ところが、我々日本人はなくなれば経済どころか命まで無くなってしまう「水」についてはいくらでもあると思っています。なにせ、無駄遣いすることを「湯水のように使う」なんて言いますから。
かつてイザヤ・ベンダサン(山本七平)は言いました。「日本人は水と安全はタダだと思っている」と。
今回の和歌山研究会はそんな「水」についてのお話、講師は水文学の第一人者、沖大幹先生です。
実は我が国で利用可能な水資源は約1m3/m2/年なのですが、1000m2/人必要なので、1000人/km2の人口密度の我が国では、ギリギリなんとかいけるレベル。
日本は水に恵まれていると思っていたでしょ。私も思ってました。実際年間の降水量は陸地平均の約2倍ですが、急峻な地形のため水はすぐに海に流れます。その上人口密度が高いので一人あたりの水資源賦存量は世界平均の約半分しかないんです。意外ですね。
それなのに比較的日本は水にこまらずにすんでいるのは、ダムや貯水池、農地、森、水路水道などのインフラが整っていたから。
ところが、今や耐用年数を超えた水道管が約20%、基幹農業水利施設も約20%が耐用年数超え、さらには毎年500施設が新たに耐用年数を迎えます。
さらに近年の気候変動も水循環に大きな影響を与えます。大きな話としては地球温温暖化に対する投資も欠かすことができないと沖先生はおっしゃいます。
我々も命の素である「水」を「湯水のように」浪費してはいけないのですね。反省。
国は建設国債を発行して(この点は沖先生と私とで意見が違いますが)早急に水インフラの再整備を進めるべきでしょう。いつまでも公共投資は悪、みたいなことを言ってたら国土が荒廃してしまいます。
和歌山市の水管橋の崩落は衝撃的でしたが、つい先日も鎌倉で水道管が破裂して道路に大きな穴が開きました。ダメになる前にメンテナンスしたほうが安くつくので、すぐにかかるべき、「財源が」なんて戯言は聞きたくありません。
ところで最近膝が痛くて正座しにくいんですが、私の体も耐用年数がきてるよう。どんなメンテが効きますかね。鍼、お灸、ストレッチ? トホホ。