和歌祭り
近年江戸時代が見直されてきています。
士農工商、武士は威張って年貢を無慈悲に取り立てる、民は我慢の限界、時には一揆も起こします。無礼者は手打ちにしてもお咎めなし。学校で習った歴史では江戸時代はこんなイメージ。武士はとにかく悪者。
でも実は、江戸時代は庶民にとってはおそらく世界最高の世でありました。なにせ戦争がない。これってすごいことです。世界中どこを探しても200年も戦争がない国なんてありません。凄いぞ徳川家康、名君どころか神君、神様になるのもわかります。
戦争がなければ、武士は開店休業、どんどん貧しくなります。しかし彼らは「武士道」という新たな生き様を作り上げました。戦がなくとも自らのレゾンデートル(存在意義)を確立したのです。かくして世界でも稀な貧しい支配階級の誕生です。
反対に庶民は農も商も工も楽しく暮らしていました。日本に来た外国人はびっくり仰天、庶民は豊かではないが、みんな幸せそうにみえたと書き残しています。
いいかげんにマルクス的な階級闘争史観から脱却しないといけません。
さて、家康公を祀る紀州東照宮の大祭、和歌祭り、今年も盛大に開催されました。私は例年通り奉行役で参加。まがりなりにも武士ですから、背筋を伸ばして、シャッキとしないと。
それにしても地元の諸先輩方はビシッとしておられます。中には90歳を超えて参加された方もいらっしゃいます。ちゃんと全行程を歩かれたのだから頭が下がります。地元愛、祭り愛が本当にすごい。
それにくらべ、フラフラしながら3時間歩いて「あーしんど」と嘆く我が身が情けない。トホホ。