石破茂新総理はどんな人
ほんとに選挙は何があるかわからない。まさかの大逆転で第102代内閣総理大臣は石破茂氏が就任することとなりました。
石破茂とはどんな政治家なのか、軍事とキャンデーズにやたら詳しく、選挙には滅法強い、飾らない実直な、ちょとオタクっぽい人柄、さてさて肝心の政治スタンス、政策は?
総裁選前に緊急出版された「保守政治家 わが政策 わが天命」を読んでみました。
本の題名からして石破さんはご自分を保守政治家だと認識しているんですね。
だけど総裁選のさなか確か選択的夫婦別姓は推進、女系天皇もなんだか容認めいたことを言っていたような気がする(後でちょっと軌道修正しましたが)
「保守」とはなんぞや?石破氏は言います。「保守というのはイデオロギーではなく、一種の感覚であり、たたずまいであり、雰囲気のようなもの、その本質は寛容です」保守がイデオロギーではないのはその通り、あるべき社会像(理想)なんて構想しませんから。
石破氏はまた「人も国家も過ちを犯す」と語ります。これもその通り、だから保守は日常の生活に余程の不都合がなければ、昔から続いてきたものを大きく変えることをためらいます。選択的夫婦別姓が社会をどう変えてしまうか不安でならないのです。
皇位がなぜ男系で継承されてきたか、理路整然と語れる人は少なくても、2000年も続いてきた継承のあり方はできるだけそのままがいいのではという「一種の感覚」を多くの国民は持っているのではありませんか。だから保守であれば軽々に女系天皇容認などとはとても言えないはずです。
「政治家も、相手を尊重し、もしおのれに誤りありとせばただしていく。それが保守のあり方。自分の行動に間違いはないだろうかと常におのれに問いかけながら人の意見を聞くのがリベラルの本質です。つまり保守とはリベラルのことでもある」 この言説にこそ石破氏の本質が現れていると思います。石破氏は理性に重きを置くリベラルである自称保守政治家なのです。
石破氏は極めて理知的でその精緻な憲法理論などは自民党で他の追随を許しません。ただし思考の枠組みはいわゆる戦後リベラルそのもの、戦後レジームからの脱却をとなえた安倍総理とは全く違います。
「日本の歴史、伝統、文化を大切にする思いが保守の基本にあっていい」とはいうものの「あっていい」ですから、「なくてもええんかい!」てツッコミたくなりますね。
日本固有のものよりも、普遍的な価値、例えば民主主義、法の下の平等、基本的人権等に重きを置く良心的なリベラル政治家それが石破茂。
立憲民主党の野田党首とは議論がかみ合うでしょう。かみ合いすぎて違いがわからないかもね。